今回も「カトリーナ」関係のサイトを追加しました
元ブラック・パンサー党員だったひとが運営している、アメリカ黒人向けのポータルサイトです。
黒人むけの大衆娯楽サイト。Hip-Hop文化の最前線から奴隷制補償問題まで実にヴァラエティに富んだ話題を扱っています。伝言板もあり、それを見ることで日本からでもブラック・コミュニティの〈温度〉をかすかに感じることが…。
Afroammeric.org(←サイト閉鎖されました
2002年7月18日)
少年向けの黒人史のサイト。ジャッキー・ロビンソン、タスキーギ航空部隊などの話が簡単にまとめられています。
American Civil Liberties Union
アメリカの人権団体の代表格、遅ればせながら2003年1月初登場です。現在のところ、特定の人種を標的にした犯罪捜査、そして9.11同時多発テロ以後行方不明ーー政府が拘束監禁しているーーになっているムスリムの人びとの権利のために闘っています。
American Friends Service Committee
クエーカー教徒の団体ですが、奴隷制廃止運動のころから黒人の人権保護のために活発に活動しているところです。わたしが専門領域とする1960年代の文脈では、学生ラディカルを別とすると、最後まで黒人急進派を支持してくれたのはこの組織でした。ほかの組織は、いわゆる〈冷戦リベラル〉で、黒人団体がベトナム反戦の姿勢を取り始め、北部で運動を開始すると、公民権運動への援助をやめたのです。AFSCは、もともと非暴力・反戦を目的とするところですから、それでも支持を続けました。現在でもウェブサイト
American Fedearion of State, Couty, and Municipal Employee
United Automobile Workersの脱退後、アメリカの最大の労働組織AFL-CIO最大の労組となった組合のHPです。日本では自治労のようなものかな?それ自体、製造業からサーヴィス、ハイテクへの産業構造の転換を物語っていますが…。みなさんどこかの国の総理がいう「構造改革」って、改革なんかじゃないんです。あれは迫られている構造「変化」なのです。だいたい、日本は自由主義経済なのだから、政府が経済を変えてしまっては市場の自律性が損なわれるではないか!!!。とにかく、黒人は、公民権運動の前から、試験で採用がきます公務員には多く採用されました(もちろん昔は下級官吏でしたが…)。現在、このアメリカ最大の組合の大黒柱は黒人です。
あのアムネスティ・インターナショナルです。アメリカにおける死刑の問題など、〈人種〉が絡んだことも扱っていて、人種別死刑者数のデータベースなどがあります。
Assesing the New Federalism, the Urban Institute
上記機関による社会経済的調査がアップロードされています。タイトルで察しがつく方もいらっしゃると思いますが、クリントン政権の福祉・健康政策に対し批判的な態度をとっているところで、ニュー・フェデラリズム、もしくはネオ・リベラリズムが生活局面をいかに変化させたのか、膨大な統計資料がアップロードされいます。
ボルチモアのブラック・コミュニティのポータルウェブサイト。コミュニティの情況から職安内まで幅広いコンテンツがあります。
散文的な組織名が示すとおりの組織。隔週でリポートをアップデート。
1997年にアンジェラ・デイヴィス、マニング・マラブルらを中心に結成された団体。メーリングリストも運営しており、このサイトから登録可能。志向性はもちろん〈ラディカル〉で、民主・共和両党にかわる第三政党の結成を呼びかけています。
「デジタル・ディヴァイド」の神話を破り、アクセス数の急上昇を記している、目下売り出し中のアフリカン・アメリカン向けのポータルサイトです。『ニューヨーク・タイムスaxによると、同様のサイトのなかで、最もアクセス数の多いものだそうです。運営しているのは、黒ヰeが黒人、母親がユダヤ系の〈ダブル〉のひとです。
名作ドキュメンタリー(東京大学アメリカ太平洋地域研究センターには第1巻がヴィデオであります)Eyes on the Prizeの製作会社。このドキュメンタリーのほかにも人種・エスニシティ関連のプログラムやプログラム作成予定があり、ここにそれが掲載されています。
Black to Black, Black Information Link, the United Kingdom
イギリス(英連邦)の人種関係(とくに黒人)に関する情報を提供しているサイト。英国における人権立法などかなり詳しい年譜が掲載されています。
Black Voices
アフリカ系アメリカ人をオーディエンスに想定した、ウェブ綜合サイトです。時事問題から職の案内、さらにはお勧めのテレビ番組など、アフリカ系アメリカ人版MSNのようなサイトです。このようなところをブラウザのHPに設定しておくと、日本に位置しながらも、ブラック・コミュニティの体温を感じることができます。もちろん、その場合、アフリカ系アメリカ人とはいってもインターネットへのアクセスが自由にできる中・上流家庭、大学生などに限られますが…。(2003年6月19日現在、サイト閉鎖)
2001年の夏、シンシナティ(日本の方々にはマクガイヤが所属するレッズの本拠地と言えばわかりやすいでしょうか)、白人の警官が非武装の黒人青年を狙撃し、暴動が起きました。その事件の顛末を当時おっかけていて、ある既視感がわたしにはありました。1968年、頻発する都市暴動の原因を調査した大統領諮問委員会に、黒人で著名な臨床心理学者のケネス・B・クラーク博士は、「この委員会の報告書に何の意味も感じられない、わたしはこれと同様のものを1938年のハーレム暴動、1919年のシカゴ暴動、1932年のハーレム暴動、1944年のデトロイト暴動で読んできたし、つい最近も1966年のワッツ暴動のときに似たような報告書を読んだ。調査することに意味があるのではない、問題解決に向けて行動に移るその意志が果たして政府にあるのか、わたしは疑問に思う」。この団体は、2001年の暴動の経験から、政府に行動に移る意志がなければ、突き動かそうとして結成されたものです。頻繁にアクション・プログラムが公開され、その結果が報じられています。原題アメリカの〈人種〉問題に関心のある方、60年代や第2次世界大戦時期に頻発した暴動を追いかけるには、あまりにも社会学的資料がありすぎるために時間が必要です。ここはあるケース・スタディとして、たとえば学部卒業論文を書くための一次資料を集めるに最適のサイトだと思います。なお、2002年の抗議デモにはウーピー・ゴールドバーグが参加しました。
Campaign Against Racism & Fascism
国家の枠にこだわらず、広範な領域の人種問題のレポートを行っているサイトです。ですから、アメリカにおけるアラブ人の証拠なしの拘禁の問題などもレポートされていますーーブッシュ政権をはっきり全体主義呼ばわり!。ちなみにサイトのドメインは英国です。人種主義がファシズムに直結されているところは、旧世界での反動的極右団体の特質をつかんだものだといえるでしょう。
もとはといえば60年代の活動家がつくっていたサイトですが、"No one is left behind again"を合い言葉に、フォーカスの定まった運動を開始しました。サイトの冒頭にはこう記されています。「カニエは正しいことを言ってくれた、ブッシュは気にもとめていない、でもわたしたちは違う、決して同じことを起こさない、絶対に!」。カトリーナ災害被害者救援、政策の監視を行っています。このサイトで、NAACPのジュリアン・ボンドと、2Pacやキングの伝記を著しているイリノイ大学の黒人史家マイク・エリック・ドライソンが行っている署名運動に参加することができます。
Communist Party, USACommunist
Party, USA
最近、ガス・ホールが死去したばかりですが、まだ党は健在です。なぜか公式ホームページは2つあります(上のサイトは閉鎖されました、2002年3月10日現在)。上のリンクの方がコンテンツは充実しています。機関誌、the People's Weekly World を読むことができます。
サウス・ブロンクスに本部のあるコミュニティ団体。ドラッグ患者の社会復帰やギャング対策等を行っている団体です。不定期ですが、サウス・ブロンクス事情を伝えるルポを掲載しています。サイトを訪問したもののBBSもあります。
Congressman Jesse Jackson, Jr. Web Site
ジェシー・ジャクソンの息子のウェブサイトです。彼はイリノイ州第2連邦下院選挙区(伝統的黒人マジョリティの選挙区、シカゴ・サウスサイド)選出の現職議員(民主党)です。彼の議会での行動の紹介やシカゴ・サウスサイドの政治アクションに関する情報が掲載されています。
デトロイトのブラック・コミュニティが抱えている・直面している諸問題に関し、かなり頻繁にアップデートされながら、報告されています。アドレスからわかる通り、Dodge Revolutionary Union Movementの流れを組むところでもあります。ちなみに2000年大統領選挙ではネイダー支持でした。以下、4月17日付加→親ビジネス路線の黒人、アーチャー市長が2001年11月の選挙への不出馬を表明しました。デトロイトは注目です!
ERASE (Expose Racism & Advamce School Excellence)
事実上の人種隔離を含めた、公立学校における人種差別を是正するためにつくられたNGOです。各種のデータとともに、さまざまな活動が報告されています。
SNCCのミシシッピでの活動から誕生した黒人女性の指導者の名前を冠し、選挙資金の透明化、さらには私企業・個人からの政治献金を規制し、政党としての認可基準を下げることでより民主的な社会の実現を目指しているadvocacy groupです。 特徴は、政治資金の問題は公民権の問題だとするところにあります。そうというのも、ミセス・ファニー・ルー・ヘイマーのミシシッピ・フリーダム民主党に献金するものなどほとんどいませんでしたから。
黒人を犯人に仕立て上げた冤罪事件は決して「ルービン・ハリケーン・カーター」の話だけではありません。今現在、フィラデルフィアの黒人向けラジオ局のDJであり、ブラック・パンサー党員であったムミア・アブ=ジャマルが、獄中から無実であることを主張しています。ここはアブ=ジャマルの支援団体のサイトです。
ハリケーン・カトリーナの災害では、災害の情報の伝達で、ブログとGoogleの地図が大活躍しました。ここは、災害後につくられた市民団体のブログです。かなり頻繁に更新され、いまニューオーリンズで何が起きているのかを、「実況中継」しています。
Literacy and Comuter Literacy: The Cuban Experience
アメリカの人権活動家が2001年2月から3月までにキューバに滞在したときの記録です。キューバといえば、医学奨学金を外国人留学生に多数与えたり、プライマリ・ケアの部門では世界最高水準であると認められたり、経済活動はともかくも教育活動にかんしては近年つとに評価が高いお国。その土地のリポートで、この時代もちろん文字だけでなく画像もあります。
Mega Black Web Portal and Search Engine
アフリカン・アメリカンを対象としたウェブ・ポータルサイトです。
Free Mumia Abu-Jamalと同じく、彼を支援する団体です。彼が獄中で著し続けている手記をネット上で販売し、それを支援金にしているサイトです。ちなみに彼の係争はアムネスティ・インターナショナルも注目しているものであります。事件の経緯を考えると、少なくとも再審・再調査の機会は与えるべきだ、というのがわたしの見解です。
National Association for the Advancement of Colored People, NAACP
60年代のページにもリンクを掲載しましたが、念のためこちらにも掲載しておきます。しかしながら、このことは研究者としての私がNAACPの〈路線〉を支持しているということを意味しない、ということを断っておきます。ただ黒人現代史をやっていると、良くも悪くも、どうしてもこの組織と〈向きあう〉ことになるんですね。
National Black Child Development Institute
ウェブサイトの案内から:NBCDI publishes a variety of pamphlets and magazines that are chock-full of useful information on a variety of topics, including parenting, public policy, and child health care. We also produce a calendar featuring photos of African American children and Black history facts. These popular items--the calendar and publications--are available for sale to the general public.
N'COBRA, National Coalition of Blacks for Reparations in America
奴隷制補償問題に関する特殊団体としては最大の組織です。しかしながら、団体名にあるようにこの団体は、合州国の政策課題として補償をとりあげているところです(これには問題があります、ちょっとそれに関して、私見をまとめているので、それをご覧になりたい方は、ここ、をクリック)。過去になされたさまざまな補償(ドイツのイスラエルへの賠償 etc.) の一覧があり、この問題の最初の入り口としては最適だと思います。その他の団体へのリンクもあり。
People's Hurricane Relief Fund & Oversight Coalition
ニューオリンズ黒人コミュニティの模様を日々つたえてくれるブログです。
Poverty & Race Research Action Council
ワシントンD・CにあるNGOです。隔月に調査報告がPDFファイルでアップロードされます。僕など、貧困と〈人種〉を語るのに、貧困は数値化されるものであるのに対し、〈人種〉は構築されるものだから、その間の関係は単なる統計資料だけでは掴めないという立場をとっているのですが、とりあえず事情を知ろうというには便利なサイトです。
Prison Activist Resouce Center
N'COBRAと同様にアメリカでの刑務所の問題、裁判における正当なる手続きの欠如の問題に取り組んでいる団体のサイトです。このような団体を紹介するのは、黒人が犯罪者になりやすい、とか、黒人は犯罪者の近くにいる、とかを暗示するためではありません。ついこのほど(7月号)のNew Left Reviewで社会学者のLoic Waquantが詳細にリサーチ・報告しているように、貧困層という階級の問題、人種という問題との交錯点で、アメリカの刑務所にいる黒人は異常に高率になっているのです。もちろんなかには冤罪はありますし、警官の捜査自体が差別的であるという指摘もなされています。ここはそのような簡単なリソースを提供してくれているとことろであり、運動家たちの意見の交換の場でもあります。
ジェシー・ジャクソンの団体のHPです。活動報告はもちろん掲載されていますし、ホットな話題に関してはウェブ上で模擬住民投票を実施しています。なお、ここのサイトはwww.rainbowpush.orgですが、www.raibow.orgという紛らわしいサイトがあります。後者は、なんとなんとRainbow/PUSHとは正反対の保守派政治組織−−カリフォルニア州立大学でのアファーマティヴ・アクション廃止運動の拠点のひとつ−−のサイトです。
「ドラッグに対する戦争」ーー「テロとの戦争」同様、勝つ見込みのない戦争ーー以後、獄中にいる黒人、特に青年黒人の数が急増しました。有罪判決を受けたもののなかには、きわめて人種主義的な手続きを経てそうなったものも数多くいます。このサイトは、監獄での人権侵害と急増する監獄人口に危機を感じた人びとが運営しているサイトです。各種データあり。
サイトの説明は、The Funky, Alternative Site for Black Reviews, Opinon & Voice. このサイト白眉のコーナーは、トーク・ラジオへのリンク。簡単に言えば、黒人のためのポータルサイトです。一度ご覧になれば、ブラック・アメリカがいかに一般のアメリカ社会と異なり、またその反面では同じものをもっているのかがわかります。
とっくの昔の民主党に吸収されたのかと思っていましたが、まだ党機構をもっているようです。なかをみると、民主党とも共和党とも独立した独自の活動をしているのがわかります。現在の活動の紹介、入党案内のみで、機関誌の閲覧などはできません。
ヘイト・クライム対策を実施しているNGOの組織。ヘイト組織の調査報告や教育に役立つマテリアルなどが手に入ります。
1921年、オハイオ州タルサで起きた、黒人大虐殺事件ーー一夜にして2000名以上の黒人が殺害されるか、それを逃れようとして街から消えた事件ーーを州政府が公式に調査委員会を設置したのを受けて、被害者への賠償を求める目的で結成された人権・〈人種〉問題団体の連合組織です。
2001年に南アで開催される国連会議の準備委員会の公式サイト。各種NGOや人権団体からのレポートが漸次アップロードされています。英語のほかに、仏語、西語、蘭語、ポルトガル語のリポートもあります。私が英語と仏語をちょっとしかできないため、悔しい限り。2000年8月、今度はニューヨークではなく、ベルリンでアフリカ系の労働者がネオ・ナチに殺害されました。あちらがグローバルにやろうというなから、こちらもグローバルな視角を持ちましょう。いや、ディレイニー、デュボイス以来、グローバルな問題としてつねに〈人種〉を考えるのはアフリカン・アメリカン研究の伝統ですね。
労働問題を中心にニュースを掲載しているサイトで、アンチ・グローバリゼーションの運動を展開しています。先の大統領選ではネイダーを推してました。日本の新聞の外信欄ではアメリカの労使関係はほとんど報道されないので、このようなサイトはとても貴重です。アフリカ系アメリカ人の大多数は労働者階級ですから…。
World Conference Against Racism
2001年8月31日より南アのダーバンで開催された国連主催の会議のサイトです。アフリカ諸国が奴隷貿易のことを「人間性に対する犯罪crime against humanity」(ナチの「戦犯」に与えられた罪過です)、アラブ諸国がイスラエルならびにシオニストをレイシストとして定義する議題を提出し大問題になりました。合州国は、この二つの案件、なぜか後者により力点を起き−−ブッシュは名指しで国連加盟国を批判することは外交上のルール違反だ、という立場をとりましたが、パレスチナ問題にかんしてイスラエルの行為をパレスチナの主権の蹂躙として名指しで批判する決議はずーと、ずーと前に出ています−−大会をボイコットしました。まぁそれだけ国際関係にみならず国内の人種関係に与える影響は大きいと判断したのでしょう。なお、奴隷制補償問題に関しては、個人的に思うところがあるのでやがてエッセイを発表します。萌芽的意見を書き記したノートは、ここ、をクリック。なお、ここはいま世界でももっともホットな話題のサイトなので、重いです。ブロードバンドなのにダウンロードに3分かかりました。(2003年6月19日現在、サイト閉鎖)
World Conference Against Racism,
NGO Forum
さて今度は上とは異なり、NGOの意見をとりまとめたサイトです。世界のムーヴメントが見えます!(2003年6月19日現在、サイト閉鎖)