ジョン・マケインという人物は、価値中立的なmaverick(変わり者)などではない。
奇抜なこと(たとえば、「行き場所のない橋」の建設に待ったをかけたと意気込んではいても、その橋への道を「誘致」していた威勢が良いだけの「ホッケー・ママ」抜擢)が好きなだけの人迷惑なアホの政治家である。
本日、彼は、金曜日に行われる予定の大統領候補テレビディベートを延期するようにオバマ陣営に申し入れた。金融危機への対処を討議する時間が欲しいというのが理由だった。
しかし、先週、マケイン陣営は、ブッシュが救済案を公表する「前」に、6つの対応策を発表し、ブッシュ案を待っているオバマの対応の遅れを非難していた。その日のCNNニュース、この非難にどう応じるかとアンカーマンに問いかけられたオバマの政策顧問は「まだ政策が発表されていないのに対応も何もないでしょう」と答えていた。しかし、そこにマケイン支持者が執拗な非難を繰り返し、その顧問は「ならば言いましょう、ひとつ」とアメリカ経済の抜本的改革の骨子を言わさせたくらいだ。さらにまた予備選の「公約」から自身の税制案の方が一般的家庭には増税になると広く指摘されているにも関わらず、厚顔無恥にもオバマは増税をすると寝も葉もない噂をテレビCMで流し続けている。
オバマは、先ほど、この申し入れを拒否した。彼の雄弁ぶりはもはや世界中が知っていること。しかも今回のディベートは、3回あるものの1回目、テーマは外交問題である。これを「敵前逃亡」と言わず何と言おう。あきれてしまう。
アメリカ政治を見てきて20年以上になるが、こんなことは異例だ。
それにもかかわらずマケインが当選するとなると、それは世界にとって大災難を意味する。