公民権運動時代のもっともラディカルな団体であり、60年代の諸運動の牽引力であった学生非暴力調整委員会の元議長で、現職下院議員(ジョージア州選出)のジョン・ルイスが、「黒人」のバラク・オバマではなく、ヒラリー・クリントンを支持するとする表明を発表した。ヒラリー・クリントン支持の理由は
・大統領になるだけの政治的経験をもっていること
・すでに世界各国の政界リーダーとの親好があり、友好的外交関係を築く資質を備えていること
これらは、しかし、ヒラリー・クリントン自身が、自分がバラク・オバマに対して優位に立っている点として数々の場で述べていることである。
ジョン・ルイスは、ビル・クリントン前大統領との親好が厚い。ノーベル文学賞を受賞した小説家トニ・モリソンは、クリントン前大統領を「黒人初の大統領」と評したが、いまでもハーレムに事務所本部を構える彼と黒人コミュニティとの絆はやはり強い。
それに対して、1980年と84年に、大統領候補として「旋風」を起こした黒人指導者のジェシー・ジャクソンは、既にオバマの支持を表明している。彼は、クリントン前大統領の精神的アドバイザーの役目も務めていた。献身的市民活動家としてのオバマのシカゴでの経歴、それに影響を受けたことはまちがいないだろう。
かねてから、私は、オバマが黒人票をどれだけ獲得できるか、それがアメリカにおける「人種」の行方を左右するとこのサイトで述べてきた。ますます大統領予備選挙が面白くなってきた。