2月末、カトリック圏はカーニヴァルのシーズンである。フランス植民地として始まったニューオーリンズも、マルディ・グラと呼ばれるカーニヴァルが植民地時代から続いている。
ハリケーン直後、ネーギン市長は「(2月には)すげぇ(hell of)パレードを見せてやる」と語っていた。そのパレードは、Fat Tuesdayと呼ばれている2月最終の火曜日に終わった。
パレードの映像のなかには、当然、ハリケーンの傷跡が残っている。
CNNの映像のなかでは、たとえば、ある参加者は、大きなXの文字を書いたTシャツを着ているものもいた。それは、洪水で「流されてしまたった街」を示すらしい。また、ネヴィル・ブラザースやドクター・ジョン、プロフェッサー・ロングヘアなど、世界的に有名な地元のミュージシャンが出演することで有名なクラブ、ティピティーナでは、ネヴィル兄弟のひとりがこう歌っていた。「あんたはどこにいる」。これは、ハリケーン後、ニューオーリンズを去らねばならず、そして未だに市外の避難所に住んでいる人びとのための歌。