23日に公開されたホワイト・ハウスの報告書は、ハリケーン・カトリーナの災害を大きくした要因に、災害対策計画、訓練、そして対策にあたっての指導力の欠如を挙げた。ブッシュ政権は、ここに自らの非を認めたのである。
これより以前に発表されていた連邦下院議院の調査と較べると、しかし、表現は微妙だが政治的意図は大きく異なる相違点があった。
連邦下院議院の報告書が非難の対象に選んだのは国家安全保障省とブッシュ大統領だった。共和党員によって書かれたその報告書では、大統領自身が指揮をとったならば、連邦政府の対応はもっと迅速になっただろう、と、大統領の「怠慢」を非難した。
一方、ホワイト・ハウスの報告書は、「ブッシュ大統領が(9・11テロ後に)構想し」たものとは異なったとし、大統領には意図があったのだが、行政各機関がその意図を実施できなかったとしている。
このような意見が対立するなか、ホワイト・ハウス「も」、このことは認めた:ハリケーン・カトリーナの災害総額は1兆ドルに達し、その額は、人災・天災を問わずアメリカ史上最悪のものである。ここで言う「天災」には、真珠湾攻撃も、そしてまた9・11テロも含まれている。ニューヨーク・ロウワー・マンハッタンの復興は国家事業として進行中だ。ところがニューオーリンズは…。