以下の記事で、フランスの暴徒を「移民」と呼ぶ報道の在り方に疑問を呈したが、アメリカの新聞は、同じ経験があるために、このところをはっきりと理解している。
『ニューヨーク・タイムス』は、11月4日づけの社説でこう論じた。
「フランスは自国の移民制度を誇りに思っており、そしてそれにこだわり続けている。その制度とは、いちどフランスの国に入れば、みんながフランス人になれるのであり、それゆえ病ぢょうであり、云々というものだ。いま現在わかったことは、誰もがみなフランス人になれるというわけではないということだ」。
さらには、暴徒をゴミscumと呼び、弾圧政策を主張し、そうすることでさらに暴動を激化させたーーフランスという国には、このような歴史的事例がたくさんある、その事例とはフランス人が誇りにする「革命」のことだーー内務大臣を批判し、弾圧ではなく、雇用機会、人並みの住宅、教育を「新しい市民」に提供することだ、と論じている。
アメリカはこの論説のことばから学ぶことが多くある。久しぶりに良いものを読んだ。