現在わたしが強い関心をもって追っているアメリカの社会問題のひとつに、巨大な監獄社会というものがある。いま『ニューヨーク・タイムス』が、その問題について連載記事を掲載している。
3日版に掲載された記事が取り扱ったのは、いろいろな側面をもつこの問題のなかでも、未成年(つまりアメリカでは18歳以下)で犯罪を犯しながら、仮釈放なしの終身刑に服している青年の問題。
このような厳罰を行っている州は、50州中48州。アムネスティインターナショナルの調査によると、同様の罰を実施している国は、イスラエル、南ア、タンザニアしかない。しかしアメリカは、この罰で服役している人間の数でずば抜けている。イスラエル7人、南ア4人、タンザニア1人、アメリカ約2200人。そのうち、350名はいまだ15歳以下だ。
そしてその51%が黒人である。
これは黒人の犯罪性を物語っているのではなく、アメリカの刑罰が80年代以後保守化したために厳格になったことの結果である。その詳細はわたしのサイトのエッセイのコーナー、ならびに学会報告を参照。いずれこのブログでも、最新の情報を掲載するにあわせ、この事情や背景、歴史を説明していく。