ハリケーン・カトリーナに対するブッシュ政権の反応に対し、下院議員のジェシー・L・ジャクソンが鋭い批判を展開した。曰く
「多くの黒人は、彼ら彼女らの人種、資産状況、そして投票行動がハリケーンへの反応を決めた要因であると感じています。それが事実だと断言はできませんが、多くの貧しい人たちを、これまで貧困からの脱出方法を提示せぬまま放り出してきたことはあきらかです」。
この発言には、人種、階級、支持政党といった色々な要素がひとつにまとめられている。それゆえ、この批判は重いと感じられる。
天災が、ある特定の「人種」を標的にして起きるということはありえない。とすれば、今回、あまりにも不釣り合いに黒人の被害者が多いのは、それは「人種」だけが原因ではないからだ。今回のケースでは、経済環境という要素が加わったのは明らかである。
さらに、ジョージ・W・ブッシュは、前の大統領選挙で黒人票の11%としか獲得できなかった。前回より3%ほど伸びてこの数値である。したがって、もはや再選が不可能な彼にとって、黒人貧困層のための政策をするインセンティヴは少ない。
どこからどのように考えても、これは人災である。