世論調査機関 Pew Research Center によると、ハリケーン・カトリーナへのブッシュ政権の対応、わけてもニューオーリンズでの対応に関し、黒人と白人とで大きく見解が異なることが明らかになった。
被害者がアフリカン・アメリカンでなければ政府はもっと迅速に行動したはずだと考える黒人は3分の2にのぼっている。一方、同じ見解をもつ白人は3分の1に過ぎない。
以下に報告してきたとおり、わたしもこの3分の2の黒人と同じ見解をもっている。
しかし、ここで駄目押しとして付言しておけば、ハリケーン被害自体は天災であり、それゆえそもそも「人種差別」を行うはずがないということ。天災を人災にしたのは、政策だということ。ここを区別することは、やみくもに「差別」の糾弾を行い、そうすることで真の差別が何なのか不明にさせないためにも重要である。
さて、そのようなわたしが、鋭い意見として紹介したいのが、2004年大統領選挙で、そもそも民主党の本命候補だったハワード・ディーン元ヴァーモント州知事の発言である。
彼はこう言っている。
「アメリカは、いくらそれが醜くても事実を直視しなくてはならない。この災害を生き延びたのが誰で、死んだのが誰か、それを決めるにあたっては、肌の色、年齢、経済状況が重要な意味をもったのだ」。
ハリケーンが自然の猛威だけだったなら、肌の色、年齢、経済状況を考えはしなかっただろう。「自然」がこれらを「考える」ことなどありえない。この3つの要素が意味をもったこと、それはこれが人災であるという「醜い真実」を物語っている。