抗議の署名をお願いしていましたフランシス・ニュートン処刑の件、残念ながら、抗議運動実らず、現地時間14日午前10時頃に刑が執行されてしまいました。彼女の冥福を祈ります。
裁判所の判断というのは絶対的なものではありません。法律が複雑になり、多くの市民がその細部を熟知できない現代社会にあっては有能な、もっと的確に言えば、自分の利益になる弁護士をいかに捜すかが、極めて重要な意味をもってきます。
別にこれにたいそうな知識はいらないはずです。テレビ番組『行列のできる法律事務所』を一回でも見ればわかる通り、弁護士の見解、法律のエキスパートの見解でも、かならず違っている。とすれば、いかにして、自分の立場で考えてくれる弁護士を捜す「方法」を知っているか、が、現代社会を生きるにあたっては極めて重要になってきます。
デンゼル・ワシントン主演の映画『ハリケーン』をご覧にならればわかる通り、多くの黒人は、刑事裁判の初期段階で、この「方法」の知識を持っていません。それで、官選弁護人のおざなりの「弁護」で刑を言い渡されています。
それで極刑に処せられたのは今回が最初ではないのです。詳しくは、http://www.fujinaga.org/ でエッセイで書いておりますが、死刑は間違っているとして死刑囚を全部恩赦した州知事だっているのです。
ただ、テキサス州は違う。この州は死刑囚執行の数で群を抜いています。(多くはジョージ・W・ブッシュ知事時代の執行)。
こんな野蛮なことはやめさせましょう。
フランシスの最後のことばは"No"。
わたしはまた在りし日のゲイリー・グラハムの姿を思い出してしまいました。今夜は眠れそうにありません。