黒人を主な視聴者としている黒人経営のケーブル局Black Entertainment TV 通称 BET がハリケーン被害者救済のためのチャリティ番組を放送した。番組のタイトルは、「わたしたち自身を救おう」(Save Ourself Relief)。「自分たち」と言っているのは、この天災が人災に転じたために、被害者の多くが黒人になっているからである。
その番組には、約束どおり、Jay-Z と Sean "Diddy" Combs (aka. Puff Daddy)が登場し、番組のなかで100万ドルの小切手を赤十字に手渡した。メアリー・J・ブライジも出演、10カラットのダイアモンドを番組のなかでオークションし、それをすべて寄付。
この番組だけで1000万ドルの寄付が集まった。
番組が放送したのは、このようなチャリティだけではない。ヒップホップの精神そのまま、ストリートから発せられた政権批判が飛び出た。今度はQ-Tip。
彼はこう述べている。「俺たちは、メキシコ湾地域の再建のために基金を作ろうとしているんだ。もともとこの地域は、一級のウォーターフロント地区。だからディック・チェイニー副大統領がそこにいったときピンときたね。アイツには隠れた目的があるんだよ。こんなときに限って、困っている人を食い物にしてやろうというヤツが出てくるんだ。だから、俺たちヒップホップ・コミュニティのメンバーは、その地域の土地が人でに渡ってしまわないように、黒人が持っていたものが他の手に渡らないように、ベストを尽くさなくちゃいけない」。