2000年度には23.5%に達していた軍隊新兵のなかのアフリカン・アメリカンの比率が、今年度は14%までに低下した。
全人口に占めるアフリカン・アメリカンの比率が12.3%だから、ほぼアメリカの人口構成と等しいまでに下がったことになる。
しかし、80%に近い減少率、これは重大なことを物語っている。
この数値を報道した『ワシントン・ポスト』紙は、アフリカン・アメリカンのイラク戦争支持率が白人に比すと著しく低いことを、その理由のひとつとして指摘している。事実、ブッシュ再選に投票した黒人は11%しかいない。
イラク戦争がここまで長引くことで、アメリカ史上初の事態が起きることになった。徴兵制がひかれずに長期の戦争に突入するのは、この戦争が初めてなのである。
そう考えると、コンドリーザ・ライス、ブッシュ双方が欧州との関係回復をまず最初に目指したのには、「この戦争はアメリカ一国では勝てない」という認識が強まったことを表しているのかもしれない。
いずれにせよ、黒人兵の減少は、黒人がイラク戦争を支持していないことを表す、これはまちがいないだろう。