1955年、アラバマ州モントゴメリー、バスの席を白人に譲ることを、ローザ・パークスという女性が拒否することで、公民権運動が激化した。この「モントゴメリー・バス・ボイコット」運動のなかから指導者として擡頭してきたのがマーティン・ルーサー・キングにほかならない。
しかし、キングが創設者だったSCLCと同様、ローザ・パークスの現在の生活も楽ではないようだ。
ロイター電が伝えるところによると、現在ミシガン州デトロイトに居住しているパークスは、2002年に家賃の支払いが滞り、強制退去処分になりそうだったらしい。
幸い、同地のハートフォード・メモリアル・バプティスト教会がパークスの支援に乗り出し、この度、過去の滞納家賃は完済するが、今後は家賃をタダにするという合意がなされ、この〈公民権運動のイコン〉が「ホームレス」になるという最悪の事態は逃れた。
ロイター通信は家賃が滞納した経緯、原因に関してはなにも述べていない。
ところで、パークスは、大統領から顕彰されるなど、日本では受勲者にあたる「高徳な市民」である。しかしいったい何が起きたのだろう。