ブッシュ大統領が、任期満了が迫っていた公民権委員会の委員長メアリー・フランシス・ベリーを解任した。正確には、任期は2005年1月21日まである。それを鑑みると、これは事実上の「更迭」である。
ベリー委員長のもとでの公民権委員会は、大統領選挙投票直前に、ブッシュ現政権が行っている甚だしい人権蹂躙を列挙した報告書をウェブ上で公開するなど、大統領府との対決姿勢を明確にしていた。
ベリーは解任の意向を知ると、任期満了までまだ時間があるということを理由に法廷闘争をするよりも、委員会を去ることを選んだ。たとえ裁判に勝ったとしても、彼女が活動できる期間は1か月あまりだからだ。
なぜならば、それほど現政権の公民権・市民的自由の権利の保護の分野での業績がみすぼらしいからである。
49%が対立候補に投票した選挙戦での勝利を、自分に対する無条件信任状と思ってもらってはたいへんだ。1月には大統領就任式が行われるが、このような政策を行っていて、ブッシュは胸を張ってペンシルヴェニア・アヴェニューを歩けるだろうか。