今月末でNAACP会長を辞するクウェイシ・ムフーメが、ブッシュ大統領と「会話」を行った。
「会話」という言葉を使ったのはムフーメ本人。極めて厳しい関係になった現職大統領に会うにあたり、通常このような場で用いられるmeeting「会談」という言葉を彼は使わなかった。「これは通常の『会談』を意味しない」、そう彼は明言している。
したがって、これは個人的「会話」となった。その場でブッシュ大統領は、昨年のNAACP大会への招待を拒絶したことに関して、理由を説明。ブッシュによると、「敵意をもった人びとの集まりに出るのが嫌だったのではなく、敵意を示されることがこの国の大統領職の汚点となり、国際社会における合州国の立場を悪くさせる」と思ったからだそうだ。
ブッシュには、そもそも敵意を向けられるのはなぜかと問ってみよう、そしてその敵意を和らげる努力をしよう、という発想は、どうやらないらしい。「汚点」となる政策や行為をしないようにしよう、そうは思えないらしい。
「会話」を終えたムフーメの表情はどこかしか悲しげである。