NAACP新会長決定
インディアナポリスの地方テレビ局が報じたところによると、同地出身の黒人で弁護士のデニス・ヘイズが、ムフーメの辞任後のNAACP会長代行に就任するらしい。
ヘイズは、ムフーメ就任の直前に、短い期間だが会長を務めていたこともあるし、同団体が誇る法律部門の長を務めた経歴ももつ。
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インディアナポリスの地方テレビ局が報じたところによると、同地出身の黒人で弁護士のデニス・ヘイズが、ムフーメの辞任後のNAACP会長代行に就任するらしい。
ヘイズは、ムフーメ就任の直前に、短い期間だが会長を務めていたこともあるし、同団体が誇る法律部門の長を務めた経歴ももつ。
1955年、アラバマ州モントゴメリー、バスの席を白人に譲ることを、ローザ・パークスという女性が拒否することで、公民権運動が激化した。この「モントゴメリー・バス・ボイコット」運動のなかから指導者として擡頭してきたのがマーティン・ルーサー・キングにほかならない。
しかし、キングが創設者だったSCLCと同様、ローザ・パークスの現在の生活も楽ではないようだ。
ロイター電が伝えるところによると、現在ミシガン州デトロイトに居住しているパークスは、2002年に家賃の支払いが滞り、強制退去処分になりそうだったらしい。
幸い、同地のハートフォード・メモリアル・バプティスト教会がパークスの支援に乗り出し、この度、過去の滞納家賃は完済するが、今後は家賃をタダにするという合意がなされ、この〈公民権運動のイコン〉が「ホームレス」になるという最悪の事態は逃れた。
ロイター通信は家賃が滞納した経緯、原因に関してはなにも述べていない。
ところで、パークスは、大統領から顕彰されるなど、日本では受勲者にあたる「高徳な市民」である。しかしいったい何が起きたのだろう。
大統領選挙が終わって約1か月、オハイオ州当局が同州での選挙結果の最終集計を発表したあとになって、民主党が同州での選挙権剥奪、投票妨害に関する調査を開始すると発表した。
問題となっているのは、黒人人口の多い大都市クリーヴランド近辺の諸郡。2000年大統領選挙と酷似したケースは、開票時より報道されていた。
なお調査開始にあたり、民主党は「選挙結果に疑義を呈するのではない」と断っている。なぜそのような断りをしながら、今頃になって動くのであろうか、まったく不思議である。
グラミー賞候補がアナウンスされる時期が近づいてきた。そのなかの有力候補、エミネムの"Just Loose It"をスティービー・ワンダーが酷評。
タイトルから想像つくように、これはマイケル・ジャクソンの大ヒット曲"Beat It"を幾分かパロディにしたものだ。イメージ・ビデオでは、ジャクソンの「児童虐待容疑」への皮肉が込められている。
スティービー・ワンダーを怒らせたのは、そのタイミング。「ひとが意気消沈しているところになぐりかかるのは褒められたことじゃない」というのが彼の意見。
さらに、スティービーの怒りはこれだけでは止まらなかった。「[エミネムには]これまで敬意respectを払ってきたが、考えてみれば、彼は2Pacにはとても及ばない」。さらには、「低所得者が多い黒人が多くのファンになってくれたから成功できたのに、こんなことをやるなんて、ヤツはbull shitだ」と発言。スティービーにとって、エミネムは「偽善者」。
スティービーは生まれたときからずっと光を見たことがない。ゆえに「肌の色」を物理的意味ではしらない。彼にとって肌の色は「社会的構築物」であり、「自分と同じコミュニティに属するか否か」で決定されることになる。
スティービーは、したがって、「肌の色が白い」エミネムに怒ったわけではない。
ブラック・コミュニティで"respect"は極めて重い価値を持つ。それがわからないエミネムは、したがって、「よそ者」なのだ。
多くのものを当惑させる存在、白人ヒップホップアーティスト、エミネム、彼が引き起こした現象を考えると、いろいろ面白いことがでてきそうな気がする。
NAACPの会長を辞したクウェイシ・ムフーメは、2006年の連邦議会議員選挙で、メリーランド州の下院か上院で立候補することを考えているらしい。
彼は、NAACP会長就任前には、メリーランド州選出の連邦下院議員で、黒人議会議員連盟(Conressional Black Caucasus)の委員長だった。彼自身、このような噂に対して、「将来のことについては、いかなる可能性も否定しない」と言っている。
NAACPの次期会長が誰になるのかは気になるところだが、もし彼が当選するとなると、NAACP会長経験者が連邦議会議員になるのは歴史上初めてのことになる。
ひょっとすると、運動の現場感覚をもった人間が議員になることで、右派翼賛状態の連邦議会に風穴が悪かもしれない。
ブッシュ大統領が、任期満了が迫っていた公民権委員会の委員長メアリー・フランシス・ベリーを解任した。正確には、任期は2005年1月21日まである。それを鑑みると、これは事実上の「更迭」である。
ベリー委員長のもとでの公民権委員会は、大統領選挙投票直前に、ブッシュ現政権が行っている甚だしい人権蹂躙を列挙した報告書をウェブ上で公開するなど、大統領府との対決姿勢を明確にしていた。
ベリーは解任の意向を知ると、任期満了までまだ時間があるということを理由に法廷闘争をするよりも、委員会を去ることを選んだ。たとえ裁判に勝ったとしても、彼女が活動できる期間は1か月あまりだからだ。
なぜならば、それほど現政権の公民権・市民的自由の権利の保護の分野での業績がみすぼらしいからである。
49%が対立候補に投票した選挙戦での勝利を、自分に対する無条件信任状と思ってもらってはたいへんだ。1月には大統領就任式が行われるが、このような政策を行っていて、ブッシュは胸を張ってペンシルヴェニア・アヴェニューを歩けるだろうか。
Jay Z が、自らが所属するDef Jamレーベルの社長になることが決まった。
その決定には、ユニヴァーサルとワーナーという、レコード業界の巨大企業によるJay Z 獲得合戦があった模様。
現在 Def Jam はユニヴァーサル傘下にある。ワーナーの引き抜きに応戦し、ユニヴァーサルに留まってもらうために、Def Jam レーベルのアルバム制作からマーケッティングに至る権限をすべて譲渡する条件をユニヴァーサルが提示し、Jay Zが受け入れた。
メガ・レコード会社の重役に、ゲトー出身の黒人がなることは極めて珍しい。ヒップ・ホップは「ガラスの天井」を突き破った!。
『ニューヨーク・タイムズ』の報道によると、ブッシュ大統領が新しい公民権委員会の委員長を決定した。大企業の弁護士を務めていた黒人、Gerald A. Reynolds。
ブッシュの人選ゆえに想像できたことだが、新委員長はアファーマティヴ・アクション反対派で有名である。さらには、「鈍感だと言われてもいいが、わたしは生まれてこの方、人種差別など経験したことがない」と公言している。そのような人物が公民権委員会を率いることになった。
この人選を聞き、1950年代に結成された公民権団体の相互連絡機関、Leadership Council on Civil Rights のウェイド・ヘンダーソンは、1948年にトルーマン大統領が設置して以来活動を続けてきた公民権委員会は、「実態として終わりを告げてしまった」と見解を発表。
シカゴ警察がこのほど大失策をした。
アメリカでは、人種故に刑事捜査の対象になることをracial profilingと呼ぶ。それは、数多くの公民権団体やリベラルな政治団体、人権団体から批判の対象になっている。
この度、シカゴ警察は、メキシカン・アメリカン居住区で車を運転していた2人組の黒人を逮捕した。逮捕の理由は、逮捕の時点では明かされなかった。
このとき、逮捕されたひとりの男性が警官にこう叫んだらしい。「あんたら、何やっているんだ、コイツはジェシー・ジャクソン牧師の息子なんだぞ」。
これで警官の態度は一変した。免許証のチェックで、本当にジャクソンの息子であることが判明すると、「この辺りの治安は良くないので、その注意のために引き止めたんだ」と答えたらしい。
ところが、それ以前に、2人組は、壁に手をつかせ、足を拡げるように命令され、ボディ・チェックをされていたのである。
なお、このとき、2人が乗っていた車の車両登録証は、有効期限切れから2か月が経っていた。警官はそのことに気がつかなかった。ジャクソンの息子自身が「落ち度があるとすれば、登録証だけだった」と「自己申告」をしたらしい。
取り締まるべきところは取り締まらず、禁止されている捜査方法を実施、シカゴ警察は大失策をおかしてしまった。
ジェイムス・ブラウンが前立腺癌の摘出手術を受けた。
結果・経過は良好らしい。
ここ最近、R&Bの巨人の逝去が続いていたが、JBも気がつけば71歳になっている。
とてもそんな年齢には思えないのだが…
ロードアイランド州ワーウィック郡警察公安部が、同地で行われる予定であったヒップホップ・パーティの禁止を命じた。
公安部長の話だと、「ヒップホップのパーティに集まる群衆はきわめて暴力的」であり、「ただそれに我慢がならないだけだ」というのが、その理由らしい。
しかしヒップホップだけが「暴力的」なのだろうか。
オハイオ州で殺人事件を起こしたのはヘヴィ・メタルのコンサートだった。
なぜかブラック・パフォーマンスには「暴力」というイメージが貼り付けられてしまう。
ニュース出典
http://www.allhiphop.com/hiphopnews/?ID=3873
昨年の共和党大会、一昨年の2月に反ブッシュ外交デモの中心となった団体 United for Peace and Justice が、新しい議会の会期が始まる1月3日にあわせ、今回投票権の問題が浮上したオハイオ州の州都と首都ワシントンにて、選挙結果に抗議する集会を開くと発表。
ジェシー・ジャクソンら黒人「指導者」、マキシーン・ウォーターズら黒人連邦議会議員も、ワシントンでのこのデモに参加する意向を発表
今月末でNAACP会長を辞するクウェイシ・ムフーメが、ブッシュ大統領と「会話」を行った。
「会話」という言葉を使ったのはムフーメ本人。極めて厳しい関係になった現職大統領に会うにあたり、通常このような場で用いられるmeeting「会談」という言葉を彼は使わなかった。「これは通常の『会談』を意味しない」、そう彼は明言している。
したがって、これは個人的「会話」となった。その場でブッシュ大統領は、昨年のNAACP大会への招待を拒絶したことに関して、理由を説明。ブッシュによると、「敵意をもった人びとの集まりに出るのが嫌だったのではなく、敵意を示されることがこの国の大統領職の汚点となり、国際社会における合州国の立場を悪くさせる」と思ったからだそうだ。
ブッシュには、そもそも敵意を向けられるのはなぜかと問ってみよう、そしてその敵意を和らげる努力をしよう、という発想は、どうやらないらしい。「汚点」となる政策や行為をしないようにしよう、そうは思えないらしい。
「会話」を終えたムフーメの表情はどこかしか悲しげである。