『ボルチモア・サン』紙と『USAトゥデイ』紙のオンライン版の速報によると、NAACP会長、クウェイシ・ムフーメが辞任することになったらしい。辞任に当たって、ムフーメは次のよううな声明を出している。
「この歴史ある組織が危機のとき、わたしは会長になりました。今やこの組織はかつての力強さと信頼を取り戻すに至っております。それを思い、誇りを胸に抱きながら会長の職を辞することに致します」
たしかにムフーメが会長になったときのNAACPはひどい状態だった。前会長の横領にセクハラ・スキャンダル、その果てには320万ドルの負債。それを再建したのは、ムフーメ会長とジュリアン・ボンド執行委員長による現指導層である。
しかし、わたしはムフーメが、自分の成し遂げたことに満足し、会長を辞することを決意したとはどうしても思えない。国税庁が「嫌がらせ」まがいの査察を開始したこと、それが遠因、否、陰の原因である気がしてならない。
このブログで伝えてきたように、SCLCはいま最悪の状態にある。アメリカ黒人を主体とするリベラル勢力が、再びアメリカ政治の中心に立つ、その鍵はNAACPが握っている。
次期会長が誰になるのか、それが発表されるのをいまは静かに待とう。アメリカが変わる、それを、まだ、信じながら…。