サンフランシスコ市が公共事業のなかでマイノリティが経営する企業が請け負う割合を決めていたことに対し、同地の地方裁判所は、この政策がカリフォルニア州法に抵触しているという判断を下した。
これまでアファーマティヴ・アクションに対する裁判所の判決は、圧倒的に大学進学に関するものが多い。今回の判決は、教育の領域以外のものであるという点において、極めて重要な意味をもつ。
筆者は、人種間の経済格差を是正する措置として、アファーマティヴ・アクションが最良の政策であるとも思わなければ、盲目的にアファーマティヴ・アクション支持を訴えるものでもない。しかし、マイノリティの社会統合を促すために、マイノリティの枠を予めとっておく政策をすべて「アファーマティヴ・アクション」だと規定し、それによって判断するという方向には向かってはならないと考えている。
しかし今回の判決では、教育の分野でカリフォルニア州法がすでにアファーマティヴ・アクションを禁止しているということが引き合いに出されている。教育の分野におけるマイノリティ「優遇」と、公共事業におけるマイノリティ「優遇」とは、同じものではないのだが。