マーティン・ルーサー・キングが創設者のひとりで、1968年に彼が暗殺されるまで会長を務めた組織、南部キリスト教指導者会議(SCLC)の会長選挙が行われた。
内紛につぐ内紛の末に選ばれた新会長は、キングと同世代で、82歳になるフレッド・シャトルスワース牧師。
SCLCは、キング死去以後、リーダーの不在に苦しみ、内紛にあけくれている。今年の内紛はなかでも激しいものであり、それを傍目に見ていたジェシー・ジャクソンらは大会へ参加しなかった。実際、2000名の参加が予定されていた大会への参加者は、数百名に留まっている。
「年齢差別」をするわけではないが、いくら老練の運動家であろうと、82歳の会長が組織を大改革したり、再活性化したりすることは予測し難い。
他面、未だに「黒人指導者」といえば、60年代公民権運動の時代にはすでに運動家であったものたち、つまり会社ならば「定年」を迎えている世代に属する人たちである。
未だ新しいヴィジョンをもった新世代の運動家は現れていない。