ヘンリ・ルイス・ゲイツ・ジュニアとラニ・ギニアという現代のアメリカ黒人の知識人たちのインタビューによると、現在ハーヴァード大学に通っている黒人は全体の8%、実数にして530人になった。
ハーヴァードの位置する場所を考えると、8%という比率は決して低いと断言できるものではない。
しかし、問題を複雑にしているのが、黒人内部での差異、特にエスニシティによる相違である。近年、カリブ系移民やアフリカ系移民の研究書の刊行が相次いでいるが、それらはこの黒人内部の差異に焦点を当てたいがためである。
さて、ハーヴァードでは、黒人学生のなかで、祖父母の代から合州国に居住しているものは、黒人学生全体の3分の1にしかならないらしい。
スパイク・リー監督の『ドゥー・ザ・ライト・シング』を思わせる実態だ。