大統領選挙で何が起きたのか?!
みなさんも2000年の大統領選挙での大騒ぎのことはご存じだろう。あの騒ぎが起きている最中、なんとアメリカはユーゴスラヴィアに「選挙監視団」を送っていたから大変である。これは一見笑える事態だが、実のところ笑える話ではない。なぜならそこに賭されているのは人権だからだ。
この騒動は、結局、事実上大統領選挙当選者を連邦最高裁が選ぶというとんでもないことになった。ここで法理論・憲法理論をこね回す必要はない。はっきりしていることは一つ。アメリカの主権は人民にあるのではなく、連邦最高裁にある、ということだ。民主主義とは何も難しいものではない。フェアな手続き、これこそが根幹であり、すべてはこれを基礎に判断されねばならない。ならば、投じられた票が、機械が古くて数えられない、そのうえなお2度目のカウントは行ってはならない、これがフェアな手続きを踏んでいると言えるのか。ユーゴスラヴィアに「監視団」なるものを送る余裕があるのならば、フロリダに「監視団」を送るべきだ。ミロシェビッチの首を狙って爆弾を落とし、その結果、セルビア人の虐殺に は何の関係もない市民を巻き添えにするというまずい軍事作戦をとるくらいならば、フェアな手続きを保証しようとしないフロリダ州知事、ジェブ・ブッシュの首をはねろ。(ちなみに、はっきりしておく、ジェブ・ブッシュは、今回の選挙の「勝者」、ジョージ・ブッシュ・ジュニアの弟である)。
連邦最高裁はこれまでもとんでもない判決を何度も出してきた。その多くが、そう、〈人種〉が関係した問題である。その過去のアホな判決に興味のある人は、ここをクリックしてもらいたい。ここでは今回の判決がどれだけアホなのかを簡単に纏める。